私は、２５才の女性です。お付き合いしていた頃は、まだ学生で１９才でした。お付き合いをしていた男性は、2つ年上でした。彼はバンドマンで、私は友達のライブを観に行っていたのですが、その時にもうひとつのバンドで出ていた彼に一目ぼれし、なんとかお話だけでもしたいと思っていましたが、彼もそう思ってくれたようでした。付き合っていたのは、もう５年前のことです。
記念日にはデート代をかけるけど普段はジュースのみ
デート費用は、基本的には年上の彼が負担して支払ってくれていました。でも、週末のたびに会いたいけれど、バイトをしながらバンドをしている彼なので、そんなに高いお店に行くことはありませんでした。高いお店に連れて行ってくれる時は、私の誕生日や、付き合って・・・何年目、とかの、２人の記念日、クリスマスくらいでした。
一度に使うお金は、月平均、だいたい缶ジュースをふたつ。私たちは、「会える」それだけで、もう充分でした。それに、彼に「金のかかる女」だと思われて、振られるのがいやで、本当は、がまんしていました。
けれど、鴨川の川べりで、彼が後ろから抱き締めてくれて、じーっと暮れていく太陽を見ているだけで、私は幸せを感じていました。夏は、２人で汗をかいて、冬は、２人で寄り添って。私は、この幸せがずっと続けばいいなぁと思っていました。
何といっても、友達につい自慢したくなるくらいに、超イケメンでした。その彼がエレキギターを弾いて歌う姿は、本当にカッコよくて、でも、ファンの子達もたくさんいたので、私はいつか彼が別の子と親しくなってしまい、私は振られてしまうんじゃないか、と、いつもいつも不安でいっぱいでした。とにかく、本当にお付き合いをしていた間は、幸せでした。
デート代はかければいいというものではない
私たちは、デート費用を節約する為に、いつもの自動販売機で、彼はブラックのコーヒー、私はミルクティーを買っていました。二人でそれぞれの飲み物を持って、腕を組み、鴨川へ行き、どんどん人が少なくなる北の方へ行って、静かに、静かに、寄り添っていました。デート費用なんて、そんなにかからなくても、私は幸せでした。
友達の中には、そんな彼のことを「カッコいいだけで、貧乏やん」とか言う人もいましたが、それはきっと彼がカッコよくて、そんな彼と付き合っている私へのやっかみだと思って、知らんふりをしていました。
「絶対にケーキとお茶くらい」という友達もいましたが、私は、彼と一緒に鴨川の流れを眺めているだけで本当にしあわせでした。結局、彼はバンドマンとして成功したくて、上京してしまい、遠距離恋愛も長くは続かなくて、４年お付き合いをしましたが、別れてしまいました。
